ライブでどういう双眼鏡を使うのか、という話です。双眼鏡使わない主義の人もいるし、よくよく理解する。ペンライト振ってたら見る暇ないし、せっかくの音楽にノリ切れない瞬間があるし、視野が狭いものだと大事なところを見逃す可能性だってある。ただ、持っていると良いことがあります。たぶん。
ちなみに私は使うチャンスがあれば積極的に使います。だってモニターだかスクリーンから来たフォトンより、演者の表面で反射されたフォトンを自分の目に入れる方が価値があると思いませんか?*1
CatChu!愛知Day1夜公演中にペイちゃんが双眼鏡を逆に覗いて笑われてたので、お見送り会はこれを逆から覗いて一般通過。双眼鏡ポーズしてくれたけど私は双眼鏡を覗いていて1秒くらいしか見られなかったというバカ丸出しの思い出でした。
そんなことはおいといて、ライブで使う双眼鏡を選ぶときに私が気にしたポイントと、実際に使った機種を書いていきます。
気にするポイント
だいたい以下に列挙するものかなぁ。
思ったより多いな。全部が完璧なものは無いので、ある程度の妥協は入ります。たぶん聞いたことのない用語があるんじゃないでしょうか。用語の説明は日の出光学さんのサイトが分かりやすいので、そちらを見てください。列挙した文字のリンクを踏んでも行けます。
上記ポイントを気にする理由を1つずつ説明するよ。
口径
一番前についてるレンズの直径です。同じ倍率の双眼鏡なら、口径が大きいほど像が明るくなる*2が、その分双眼鏡が大きく重くなります。
光の量が少ない天体観察なんかでは口径は大きいに越したことはないですが、ライブのステージは十分明るいので、そこまで口径は求めなくて良いと思います。お店に行って試しに覗いて、あまりにも明るさが肉眼と違うようだったらやめといたほうが良いでしょう。双眼鏡を覗く瞬間、外す瞬間にステージが見にくくなります。
まぁヨドバシとかに置いてあるような常識的な設計をしているものなら大丈夫なはずです。むしろ口径は大きすぎないほうがライブでは大事です。大きいと重くなるので、その分機動力が下がったり、腕が疲れたりします。その分ペンライトを振るほうに力を使った方がいいからね。
倍率
これはわかりやすい。ざっくり言えば、どれくらいの大きさで見えるかを表す数字。角度で言うと分かりにくいので距離ベースで話をすると、30 m 先に物があるときに倍率10倍の双眼鏡で見ると、3 m 先に物があるくらいの距離感に拡大されますよ、ということ。
視界
どれくらいの範囲が見えるかという値。実視界と見かけの視界があります。実視界のほうが分かりやすいと思います。実際にどれくらいの範囲が見えるかという指標なので。これは欲しい値を計算で求められます。
だけ先にある長さの物体を視野いっぱいに入れた時の角度は、度で近似できます。
たとえば30 m先にいる身長150.0 cmの人(計算しやすいようにしただけで他意は少ししかない!)を視野に収めようと思ったら、0.050 rad=2.9 度の視界が必要です。
こんな感じで計算すれば必要な視界が分かります。広い会場では4~5度くらいがいいのかなぁ?よくわからない。
アイレリーフ
メガネの人にはとても重要です。接眼レンズからアイポイント(目の位置)までの最適距離。これより近くても遠くても視界が狭まったり像が劣化したりします。
要は接眼レンズから目をどれくらい離せばいいかで、あんまりこの値が小さいとメガネの人は苦労します。15 mmくらいあるといいのかなぁ、という感触。お店に行って覗いてみるのが確実です。
あとメガネの人はラバーの部分を縮めるのを忘れないようにしましょうね。
アイポイントの寛容さ
これがとても大事!だけどネットに書いてあるようなスペック表にはほぼ載っていない。理想的なアイポイントから目の位置がずれると像が悪くなるわけですが、悪くなる度合いは機種によります。ちょっと目をずらしただけで見えにくくなるものをライブで使うと、ペンライト振ってぶれるときにストレスたまるのでやめたほうがいい。選ぶときはお店に行って展示品を覗いて確認しましょう。
収差
要は像の乱れ。覗いた時に、ピントは合っているのに物の境目が色づいていたり、視界の周辺がぼやけるか変に伸びていたり。収差が少ないほうが気持ちいいです。ただし収差0は無理な話なので、ある程度のところで妥協です。
手振れ補正
私は軟弱者なので、8倍くらいからは手振れ補正がないとブレまくります。軟弱者でなくても、たぶんこれを見てる人はペンライトを振りタオルを振りクラップする人たちですよね?お金に余裕があれば絶対使った方が良いですよ。でも余裕ないよね、その金でグッズ買っちゃうから。
いや、一回は使ってみてほしいな。KALEIDOSCORE埼玉公演で初めて防振双眼鏡使ったらKALEIDOSCOREが美しすぎてすごかった。衣装の質感やきらめきがはっきりわかるんですよ。目の周りのラメが光る瞬間もわかって本当にいい。あと、目が合う瞬間があるんですよ、まじで。さすがに勘違いだけど。
操作性
片手で持ちやすいか、片手でピント合わせできるか、とかです。どうせ片手はペンライトで忙しいからね。これもお店でチェックするしかない。お店行こう。
最近使った双眼鏡
最近使った双眼鏡は3種類。
- Vixen アリーナ HD8×21WP (生産終了)
- SIIBL 12×42 STABILIZER
- 笠井トレーディング Super WideBino36
使用した感想をバラバラ書いていきますが、多分に主観が含まれているのでご注意を。
Vixen アリーナ HD8×21WP (生産終了)
〇×〇〇というのは、最初の方が倍率で後ろが口径(単位はmm)です。
結構昔に買ったやつで、メガネの私が覗くと視界が少し狭まるのが不満。アイレリーフが11 mmとメガネの私には少し足りないのが原因か?軽くて小さいのでメガネかけてない人にはいいと思う。サイズ感、視界、倍率がちょうどいいのは6~8倍くらいの双眼鏡ならではかな。
私は使ったことないですが、同メーカーのVixen Saqras H6×16 はメガネをかけていても見やすいらしい。
SIIBL 12×42 STABILIZER
使用場所:ウェスタ川越、Kアリーナ横浜
手振れ補正つきで質量600 gと重い。でもなんとかなりはします。アイレリーフが17 mmあり、メガネ人間の私でも不満なく見えて〇です。わざと意地悪に揺らさない限り、ペンライトをいくら振っても大丈夫、きれいに見えます。全オタクに一度体験してほしい。
視界は4度くらいで、ウェスタ川越の2階2列からはステージの1人がちょうど収まるくらい。2人でもぎゅっと並ぶとほぼ収まるけど3人は収まりがよろしくない。でもバキバキに見えます。Kアリーナのアリーナ真ん中ちょい後ろらへんでも同じくらいだったような。LEVEL7でもたぶん11人は収まらないと思う。
Kアリーナでは結那が双眼鏡ポーズをしてきたのでこれで対抗したら、たぶん笑ってくれた。そりゃこんなごついのを最前で持ってる人いないよな。お兄さん腕がおかしくなりそうだったよ。
笠井トレーディング Super WideBino36
使用場所:ウェスタ川越、Kアリーナ横浜
これは双眼鏡というよりも、肉眼の拡張という感じ。倍率2倍、実視界36度です。ウェスタ川越2階からではステージ全体が収まるくらいの見え方です。肉眼で見たのを少し拡大したくらいの見え方なので、11人のステージを離れて見る場合にちょうどいいかも。肉眼では少し小さいけど普通の双眼鏡では視界が狭すぎるときに良い。全員のダンスを拡大して俯瞰できるのはとてもよきです。
今度のリリイベには絶対持っていく。あれくらいのサイズのステージには合いそうなので。
使うときの注意点
当たり前だけど、双眼鏡を覗いているときも周りに気を配る。周りの人に当たらないように。それと双眼鏡を見すぎないことも楽しむためには大事だと毎回感じます。「アイコトバ!」とか双眼鏡使う手が物理的に足りないし。足りないよね?無理だよ。
注意点というか大半の人はやってると思いますが、双眼鏡の眼幅(2つのレンズ間の距離)調整、ステージへのピント合わせは開演前に絶対済ませて、すぐに使える状態にしておくといい。比較のために2個持ちとかやってるとこれが重要でした。